ドーナツのおんがえし(Ver.1.00)

 コートがないと30分もたないくらいな12月の寒空。あたしはミキたんたちと3人で、ドーナツ屋台前のテーブル囲んでたんだ。

 ちらっと車の方を見ると、いつものサングラスが、車の中をひょこひょこ飛びまわってる。お客さんなんて、あたしたちしかいないのに。

 それにしても、

「おっそいなぁ、せつな」

 今日はせつなが日本に来る日。月に1度だけだったのが、少しづつ増えていって、いまはミキたんのお仕事オフ日を選ばないといけないくらい。たくさん会えるようにはなったけど、毎回みんなで、こうして待ってるんだよね。でも、

「今日は、遅いね‥‥」

 ブッキーがぽつん、と言った瞬間。みんなの視線が、自然とひとつにあつまった。

「‥‥かおるちゃん大魔王さま?」

「おいおい、査問(さもん)会かい? かいかいかいで貝の口になっちゃうよ。ぐは♪」

 やっぱ、あやしい。


 ――かおるちゃんが大魔王‥‥悪い人になりきって、ラビリンスで暴れたのは、いまから3ヶ月前。神さまみたいな扱いされて困ってたから、って、わざとせつなを襲う大魔王になって、ラビリンスの人たちに倒してもらったんだよね。

 おかげで、せつなは割と自由に行動できるようになった。日本に来れる日も増えた。けど――


「こんだやったら、タダじゃおかないって言ったよね、あたし」

 倒してもらったときの爆発で、1ヶ月も入院してたんだもん。あたしたちや町のみんなが、どんだけ心配したか‥‥

「あはは。たいしたことしてないって」

 はぁ。なのに、またこうやってはぐらか‥‥え? たいしたこと!?

「やっぱ、やってンじゃない!!」

 ドンっ、って机たたいて立ち上がったあたしの腰に、ブッキーがしがみついてきた。

「まぁ、それとあの嬢ちゃんが遅いのとは関係ないから。大丈夫じょぶじょぶ。がは☆」

 車の中で、手をひらひらさせてるのを見たら、あたしもちょっと落ち着いたよ。かおるちゃん、うそだけはつかないから‥‥

 腰につかまってたブッキーをちらっと見たら、すぐ手を離してくれた。あたしが飛び出すの押えてたけど、別にブッキーはかおるちゃんの味方じゃないんだよね。

 ブッキーは、ずっとドーナッツ屋台に来てんだもん。かおるちゃんが退院してから毎日。勉強するにも、なにするにも、パラソルの下に座って、かおるちゃんを監視してるんだ。

「そろそろ、許してあげてもいいんじゃない?」

 ミキたんがとなりから声をかけてきたけど、

「許すとか許さないとか、そんなんじゃないもん」

 すぐぷくっと膨れちゃうんだから。こりゃ重症だなぁ。でも、一番悪いのは‥‥

「かおるちゃん、なにか言わないの?」

 そう言って詰め寄っても、かおるちゃんはただ笑って、

「ま、あげた足は、どっかにおろさなきゃ。()げ物にはおろしがつきものってね。げは♪」

 って、これだもん。いつもに増してわけわかんないなぁ。はぁ‥‥

「あー、遅い〜」

 かおるちゃんのせいじゃない、って言うなら、なんで遅いのよ、せつなはさぁ‥‥

 そう思いながら、テーブルにあごのせてたら、

「‥‥ねぇ、ラブちゃん」

 小さな声が耳元で聞こえた。ブッキー?

「かおるちゃん、変わってない、よね?」

 変わって‥‥?

「実はね、このあいだなんだけど‥‥」

 ――一週間くらいまえ、わたしはいつも通り、勉強道具持ってこのパラソルの下に来たの。

 かおるちゃんは車の中で何か作業してたから、それを見ながらぼーっと終わるの待ってたんだけど‥‥

「お、早いねブキ嬢ちゃん。ちょっと待ってて」

 って、声が聞こえてきたの。わたしの背中から。

 わたしの目には、ドーナツ屋台の中にいるかおるちゃんが映っていたのに‥‥振り返ったあたしの前にも、かおるちゃんがいたの。

「え、と、ちょっと待って」

 ここに座ってから、わたしずっと車を見てた。また車を見ればほら、中にかおるちゃんがいて、振り返るとかおるちゃん‥‥

「かおるちゃん、かおるちゃんが、ええぇっ!?」

 目の前ちょっと回っちゃう感じがして、それでもがんばってまた車を見たら、中には誰もいなかったの――

「まさか。双子だなんて聞いてないわよ?」

 黙って下むいたブッキーに、ミキたんが素早くそう言った。

「そ、そうだよね。この町に来て長いけど、そんなこと一度だって‥‥」

「実は、どっちかロボットだったりして」

 ブッキーの話に、ミキたんとふたりで、あははって笑っちゃったけど、心の中は笑ってなかったんだ。

 見まちがえるわけないもんね、ブッキーが。また心配のタネ増やしちゃってるなぁ、かおるちゃんは‥‥あれ?

「ミキたん、なにしてるの?」

 さっき笑ってたときから、なんだか胸のあたりを気にしてるっぽいけど‥‥??

「ええ、ちょっと、新しいブラが硬くて‥‥」

 新しいの、かぁ。ミキたんお仕事の関係で、いろいろ試してるって言ってたもんね‥‥ん?そういえば、

「せつなも、ちょっと変わったのつけたたよね」

「そうなの? 私は見たことがないけど‥‥」

 あれ、そうだっけ? 一緒におフロ入っ‥‥ああ、あれってうちでだったっけ。

「せつなちゃんの着けてるのって、ラビリンス製なの?」

 ブッキーが話に乗ってきてくれて、あたしはちょっとほっとした。心配そうな顔、あんま見たくないもんね。

日本(こっち)で買ったのもあるみたいだけど、着るものはほとんどそうだって言ってたよ」

 あたしが答えたのと同時に、コトッ、って音がして、あたしたちの前にお皿が出てきた。

ラビリンス(あっち)の布、質はいいよ。綿がこっちのより柔らかいんだよねぇ。もらった生地でエプロン作っちゃったけどさ、オレも」

 お皿の上にはドーナツ。あぁ、かおるちゃんか‥‥

「ふぅん、柔らかいんだ。いいわね、私も頼んで買ってもらおうかな。しっかりサポートするのだと、どうしてもアンダー(まわ)りがスレて痛くなっちゃうから」

 ミキちゃんがため息交じりに言ってる。そうだよね。モデルのお仕事で使うのって、あたしたちの普段着よりキッチリしないといけないから‥‥あれ?

「オレの方のツテで取り寄せる? 布ものだったら話は通るよ」

 えーっ、とぉ‥‥

「なんでかおるちゃんと、ブラ(ばなし)なんてしてるんだっけ?」

 ミキたんは首かしげちゃってるし、

「布の話してるだけなんだけどね、オレ」

 かおるちゃんは平気な顔で言うし。なんだろ、これ。

 と思ったら、ブッキーが爆発した。

下着の(こんな)話に自然に加わらないでよ! かおるちゃ‥‥んん〜っ!?」

 真っ赤な顔したまま顔を上げて、かおるちゃんに抗議‥‥まではわかるけど、様子がヘン、だな?

「か、か、かっ‥‥!」

 なに?

「どーしたのブッキー?」

「ちょっと落ち着きなさいよ」

 あたしとミキたんがそう言っても、ブッキーは目をまんまるに開いたままで、

「ふ、ふ、ふっ‥‥!」

 そんな、すごい息して‥‥なんだろ?

「ふえてるっ!」

 ふえてる?‥‥『増えてる』かな?

「なに見て‥‥ええっ!」

 ブッキーの見てる方を向いたあたしの前で、かおるちゃんがずらーっと並んでた‥‥

「ああ、失敗失敗。切るの忘れてたよ」

 あたしたちが3人そろって口開けてる前で、かおるちゃんが平気な顔してそう言ったの。

 手元でなにかいじったと思ったら、かおるちゃんの背中にいたかおるちゃん――車からテーブルまで、いっぱいのかおるちゃんが一人づつ、薄くなって消えていく‥‥

「ど、ど、ど!」

「まぁ、とりあえず飲んで飲んで」

 目の前に出てきたジュースのコップ、ばっとつかんで口に流し込んで‥‥ああ、おいしいなぁ‥‥じゃなくてっ!

「どーいうこと、これはっっ!!」

 あたしはバンっ、と立ち上がって、かおるちゃんをまっすぐ(にら)みつけた。

「‥‥増えてるんじゃなくて、動いた途中の姿が止まって見えてるだけ、ですって。心配ないわ」

 え? いまの声‥‥!

「せつな!?」

 かおるちゃんの後ろ、車の影から、赤いコートの女の子。まるい顔に濃い青の髪、1週間ぶりの、本物のせつなだ。

「遅くなってごめんなさい。

 で、ちょっと聞こえてたんだけど、ラビリンスのブラが欲しいって言った、ミキ?」

「え、あ、ええ、まぁ‥‥」

 せつなは、そのままかおるちゃんと入れ替わって、

「日本でのサイズを教えてくれれば、変換は割と簡単よ。せっかくだし、みんなの分まとめて用意しましょうか――」

 あたしの肩を支えて、もとの席に座らせてくれた。自分も()いてるイスに腰かけて、そのまま3人でさっきのブラ話が続いてる。

 けどあたしは、ちょっとヘンだな、って思ったんだ。車に戻ってくかおるちゃん見ながら。う〜ん‥‥

「ねぇせつな。クリスマスやお正月は、こっちいられるの?」

 わたしとミキちゃんが、せつなちゃんとブラのサイズの話をしている中、ラブちゃんの顔がいきなりテーブルに割り込んできたら、せつなちゃんがびっくりした顔になった。

「え、ええ‥‥」

 あら?

「‥‥そうね。クリスマスはお祭りがあるから約束はできないけど、いられるかもしれないわ」

 せつなちゃん、いまかおるちゃんの方を見てたような気がするけど‥‥?

「へぇ、ラビリンスのお祭りかぁ‥‥」

「簡単なものよ。そもそも今まではなかったんだもの」

 気にしすぎかな、って思って、また話を聞き始めたんだけど、

「いいなぁ‥‥やっぱ、あたしたちも行ってみない?

 ほら、プリキュアってバレてまずいなら、変装でもしていくからさ。ね、いいでしょ?」

「ええと、その」

 あ、まただよ。せつなちゃん、かおるちゃんのこと、気にしてるみたい‥‥

「あぁ、また止められてるんだ。ねぇ、かおるちゃん。お祭りのときくらい、いいでしょ?」

 って、ラブちゃんが車の方に声をかけたんだけど、返事がなかった。

「ああ〜ラ、ラブ、ええと、ジュースいる? いるわよね?ね?」

 え? せつなちゃんが、いきなり目の前に??

「せつな、なにか、隠してるよね?」

 テーブルの真ん中くらいまで乗り出したせつなちゃんを、ラブちゃんがじとっとした目で見つめてる。

「せーつーなーーー?」

 キスでもしちゃうんじゃないか、ってくらい顔近づけてそう言ったら、せつなちゃんがいきなりパラソルを見上げて、

「ええと、その‥‥わかったわ。正直に言います。そのお祭りの準備をしてるのよ、かおるちゃんは」

 あっ! って、思わずわたしは声あげちゃった。わかったの、かおるちゃんがなにしたのか。

「ラビリンスに出張してたんだ! ここに残ってるふりしながら!!」

 はぁ、ってため息がひとつ聞こえたと思ったら、目の前の顔が、ちょっと微笑(ほほ)んだわ。

「正解よ、ブッキー。さっき、動きの止まったとこが見えてる、って言ったでしょ? とてもとても離れているとこにいても、同じことなのよ」

 やっぱり‥‥でも、

「そんなことしなくても、あたしたちにちゃんと言って、堂々と行けばいいのに‥‥」

 わたしの思ってること、ラブちゃんが言ってくれた。

「それはね。みんなに、ドーナツを食べて欲しいから、よ――」

 え?

 わたし、思わずラブちゃんたちと顔を見合わせちゃった。それって、いったいどういう‥‥

「みんなが来られない間に、ラビリンスは変わったわ。海で、山で、畑で働いて、自分たちのちからだけで、食べていけるようになった――メビウスの塔のちからがなくても、ね。

 この秋、ようやく小麦もとれたし、お砂糖も作れるようになったわ。それで、ドーナツを作ってみんなに食べて欲しい。みんなのおかげで、自分たちを変えたドーナツが作れるようになりましたよって、伝えたいそうなの」

 せつなちゃんが言い終わったとき、となりからちっちゃな声が聞こえてきた。

「ドーナツで、おんがえし、かぁ‥‥」

 ぽつん、とちっちゃな言葉だけど、寒さを忘れるくらい、あったかい言葉。

「ええ。どうしてもおんがえしがしたい、ここまで復興したんだって見せたい‥‥そう言われちゃったら、断れないじゃない?

 だから、正式にお願いよ。ラビリンスの代表として、3人をラビリンスのお祭りに招待します。来て頂けますか?」

 せつなちゃんの真っ直ぐな瞳が、わたしたちを順々に見つめてきて、

「も‥‥」

 ラブちゃんの口が動いたのを見て、ミキちゃんがわたしに目配せしてきた。うん。

「もっちろんだよ、せつなっ!!」

 ラブちゃんがテーブル越しに飛びつこうとしてるのを、両側からふたりで抱きついたの。

「こら、ラブ!」

 嬉しいのはいっしょだよ、でも、

「ラブちゃん、正式に。正式に、だよ!」

「わかったよ。それじゃ‥‥あたしたち4人、ありがたく招待を受けさせてもらいます。ラビリンス代表さま」

 胸に手をあてて、ゆっくりおじぎするのに、わたしとミキちゃんも合わせた。正式に、だもんね。それに、

「ラブにあらたまって言われると、照れるわね‥‥え?4人??」

「うん、もちろん。だってあたしたちは、4人でひと組なんだから、ね

 そう言う、って信じてたんだ、わたし。ラブちゃんだもんね☆

「でも、かおるちゃんは大丈夫なの? プリキュア(私たち)を、神さま扱いしちゃってるからダメだ、って言ってたじゃない」

 ミキちゃんがそう訊いたら、せつなちゃんの顔がすこし笑った

「その、かおるちゃんが言ってくれたのよ。プリキュアだけが(そろ)って行ったら、神さま扱いされちゃうかもしれないけど、神さま扱いしない人たちと一緒に連れてったら?って」

 せつなちゃんが笑ってる、けど、

「神さま扱いしない人?」

「そう。たとえば、みんなのお母さん。たとえば、駄菓子屋のおばあちゃん。たとえば、そば屋のおにいさん‥‥」

「ラビリンスに、クローバータウンのひとたちを呼んじゃうの!?」

 目を丸くしてるミキちゃん見て、せつなちゃんがちょっと困った笑顔になっちゃった。

「ええ。クローバータウンのクリスマスと、ラビリンスのお祭り、このふたつをつなげてしまおう‥‥はじめは驚いたわ。私もサウラーもね。ウエスターだけはのんきに喜んじゃってたけど」

 はぁ、ってため息がちょっと笑ってる。ふふ。

「でも、もしそれができるなら。おまつりの時だけつなげられるなら‥‥」

 ラブちゃんの顔も、ぱぁっと明るくなった。けど、

「それで、かおるちゃんがこうなってるんだ‥‥」

 わたしの言葉に、ふたりが振り返ったの。

 車の中、さっきからじっと動かないかおるちゃんが、そこにいる。‥‥いる、ように見えてるだけ。

「クリスマスまでに間に合うかどうかわからないし、期待させといて裏切れないから、って。ひとりで準備してるのよ。ここのところ、ずっとね」

 そっか。だから、わざわざわたしたちが居る前で、『失敗』したんだ。たまに動かなくても、理由がわかるように‥‥


「ありゃぁ、もうバラしちゃったの? 早いねぇ」

 そのとき、みんなが車を見てる後ろから声が聞こえてきた。かおるちゃんの声が。

「やれやれ、サプライズしたかったんだけどねぇ。ぐはっ☆」

「かおるちゃん!!」

 わたしたち3人が同時に立ち上がって、かおるちゃんに詰め寄ろうとしたんだけど、

「んじゃぁちょうどいい。ほい、おみやげ」

 目の前に手が伸びてきて、3人とも動きが止まっちゃった。

 手の上にはお皿。甘い匂いの向こうには、穴の開いた丸がよっつ――ドーナツ?

「ま、食べてよ。ラビリンス製の試食品、たったいま揚げたての第一号。記念品だよ」

 言われて、みんなで一つづつ取ったの。言いたいことはいくつもあるけど、ラビリンスの人が作ってくれたものなのなら‥‥うん、まずくは、ない、けど、ね‥‥


「まっずいなぁ――」


 あ、ラブちゃん。

「ラ、ラブ!?‥‥っと」

 びっくりした目で飛び出してきたせつなちゃんを、わたし、肩に手をおいて押えたわ。

「ブッキー?でも、ラブが‥‥」

 また走り出しそうなせつなちゃんを、今度はミキちゃんも一緒に押さえてくれた。わかるよ、そうだよね。大切な、ラビリンスのひとたちの作ったものだもん。でもね、

「ありがと。でもこれなら、あたしの方が美味しいの作れるぞぉ

「ちょ、ちょっとラブ、いったい‥‥えぇっ!!?」

 ラブちゃんの言葉を聞いて、一斉に笑い出したわ。わたしも、ミキちゃんも、かおるちゃんまで。

「やっぱ、ラブ嬢ちゃんは覚えてたねぇ。ぐはっ♪」

 せつなちゃんの目、ぐるぐるしちゃってる。そろそろ、ちゃんと説明してあげなくちゃ。

「せつなちゃん、これね、かおるちゃんとわたしたちのやりとりなんだよ。7年前の」

「公園の隅っこにかおるちゃんが、おなか()かせて倒れていて‥‥」

「あたしたちが作ったドーナツを、食べさせてあげたんだ」

 わたしと、ミキちゃんと、ラブちゃんと。3人で囲んで話してあげたら、せつなちゃんの目が、ようやく真っ直ぐになった。

「それで、『自分のほうが美味しいの作れるぞ』?」

「そう。あたしたちへの、ドーナツのおんがえし‥‥それがあの、ドーナツ屋さんのはじまりだよ。ね、かおるちゃん?」

 ラブちゃんが残りのドーナツを口に押し込みながら、にこにこ顔でそう言ったら、かおるちゃんが口もとだけ笑いながら頭をかいちゃった。

「そうそう。ドーナツでおんがえしするんだったら、ちゃーんと美味しいもの作ってもらわないとね。ぐはっ☆」

 そっか。だからなんだ。

 たくさん時間をかけて、作り方をひとつひとつ、教えてあげてるんだね。『おんがえし』したいひとたちへ、『おんがえし』されるひとたちにはナイショで‥‥


「ああ。ついでに、ラビリンス製の服も全員分たのんできたよ。お嬢ちゃんの言ってたブラも下着も、サイズぴったりのをね。げはっ♪」


「え‥‥?」

 思わずわたし、動きが止まっちゃった。目だけ動かしたら、ラブちゃんたちも止まってる。

 もちろん、ふしぎじゃないよ。わたしたちのサイズくらい、かおるちゃんが知ってたって。でも、でもぉ〜っ!


「「「ひとにまで、教えないでっっ!!」」」

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